任意売却後の債務返済の事例

任意売却　〜　任意売却後の債務

任意売却で売却をした後に残る住宅ローンには返済の義務がございます。
任意売却後には取られる担保が無い状態なので、残った債務は返済をしなくても大丈夫だとアドバイスをしている業者もいらっしゃるようですが、債権者に悪質だと判断された場合には "給料の差押え" もあり得ます。任意売却その後の実際の事例をご紹介いたします。

■任意売却のその後

埼玉県S様の事例

S様は2,000万円の住宅ローンが残っていたマンションを、任意売却により1,500万円で売却し債務整理をされました。それでもA保証会社に300万円、B債権回収会社に200万円の債務が残りました。債務整理から7ヵ月後、C債権回収会社からS様に連絡が入りました。A保証会社から債権譲渡を受けたとのことでした。今後はC債権回収会社と返済の話をするとの内容です。しかし、S様は当センターのスタッフからこのような事も起こりうると、事前に説明されていたので慌てなかったそうです。

そして、S様より当センターに連絡が有り、「御社が、おっしゃっていたように、債権回収会社が変わりましたとの連絡が来ました。払える範囲で交渉してみますが連絡をした方が良いのでしょうか。」とのご質問でしたので、誠意をお見せしてお支払いする意思をお伝えするようアドバイスを致しました。その後、S様から「生活状況表の提出などを提出しなければならないので、状況表の書き方を教えて欲しい」と連絡がありました。その結果、月1万円で1年間様子を見ることで、C債権回収会社と話が着いたとのことです。
B債権回収会社からも半年後に連絡が有り、月5万払って欲しいと言われたとのお話でしたので、交渉の仕方などをお教えし、S様も粘り強く交渉されたようです。結果、同じように月1万円で話が着いたと連絡が有りました。S様は500万の債務を月2万円の返済で決着を付けることができました。

東京都M様の事例

多摩市在住のM様から当センターに連絡が来た時、ご自宅は競売開始決定からすでに1ヶ月が経過しており裁判所の執行官も現況調査に来ました。4ヵ月位で期日が到来すると言われていました。

住宅ローンは住宅支援機構からの借入だけでした。残債務が1,800万円で物件は高値で売れて1,300万円といった所です。しかし、公庫の査定は1,500万円でした。物件を拝見すると、小さなお子様とさらに、ペットがいたことで、かなりの痛みが有ります。当センターでは1,000万円が妥当と判断しました。　
M様と打ち合わせを進めて行くと他に800万円のカードの借り入れがあります。給料は不況のあおりで年収は300万円と、それまでより100万円も下がっていました。お子様が小さいので奥様は長い時間は働くことが出来ません。

販売活動をした結果1,100万円で購入者が付いたのですが、債権者と話がつかず、結局競売で落札されてしまいました。当センター責任を感じ、今後の事についていろいろとアドバイスをさせて頂き、落札者と引っ越し代の交渉もお手伝させて頂きました。
アパートに越して1ヵ月後、M様からご連絡があり、サラ金の返済も無理なので破産を考えている、弁護士を紹介して欲しいとの事でした。当センターで提携の弁護士を紹介しM様をお連れしました。弁護士から破産の説明を受け、30万円と消費税、裁判所の郵券が2万円弱、計33万円弱です。直ぐに委任状を書き、分割の5万円を支払うと、弁護士は明日、受任書を発送するから、督促は止まると言われました。これでM様は仕事に専念出来ますし、奥様の電話恐怖症も無くなると喜んでいらっしゃいました。半年後M様は免責をうけ、晴れて一からの出直しです。
当センターにお礼の電話が入りました。この間、当センターは一切の金銭は無論頂いておりません。

任意売却後、逃げ切れなかった債務者

川崎市に住むA様。任意売却は無事済み、残債務の返済額は月2万円で折り合いが付きました。　本来ならばこれで一件落着の筈だったのですが、こちらのA様、他の任意売却業者のホームページを観て、その業者へ任意売却後の返済についてのご質問をされました。他の業者にお問い合せをした理由というのは、その業者のページには、「無担保債権は取られる物が何も無いということ。取られる物がなければ返済を止めても大丈夫」という言葉の確認を取ったようです。

そして、その業者の勧めた「支払いをしないで無視すること」を実行されてしまいました。A様は、任意売却後は当然のことながら "無担保債権" となっておりますので、他の業者の言う通り、取られる物が何も無い状態です。後は、どの様な催促・督促をも跳ね返すだけというおつもりだったと推測します。
ある債権回収会社からA様に通知が来ました。「A様の債権が当社に変わりました。今後の返済は当社へお願いいたします。今まで、一度も返済がなされていませんが、今後この状態が続くと強制執行をさせて頂きます。」というものでした。それでも、A様はそれら督促を無視し続けました。しかし、A様の大誤算は、A様には連帯保証人が着いていたことでした。連帯保証人はA様の実兄です。こちらのお兄様へ給料差押えの通知が届けられました。A様のお兄様は公務員です。従って、お兄様は逃げることは出来ません。その後、債権回収会社との話し合いの結果のA様は、一時金20万円、そして月々5万円の支払を同意させられたそうです。

そして、一時金20万円、月々5万円の支払いは無理なので、どうやって払って行けばよいのだろうかと当センターは相談を受けました。返済額が確定されるには、生活状況という報告書を提出します。申請する内容のアドバイスは出来るので、債権回収会社に送る前に当センターに送ってくださいとお伝えしたのですが、結局、このA様とお兄様からはご連絡を頂けませんでした。
競売が終わって残債務の返済を無視し、逃げ切っている方のブログとか、任意売却が完了して残債務の返済を無視している方の掲示板の書き込みなどを目にします。その方々は返済をしなくても全然平気ということを声を大にして主張をしております。ですが、これは大きな間違いであることをご理解下さい。

自己破産をしてもローンの返済をしなければならないケースも有ります。

こちらの事例は、連帯保証人が付いているにも関わらず、任意売却後自己破産をされてしまわれた方です。

借入銀行は3社でした。任意売却後の残った返済額も3社へ月々1万円づつで話し合いが着いておりました。が、しかしこの方は他の一般債務の借金も多く、返済が辛いと考えて自己破産をしたようです。自己破産をされてしまっては、債権者としては連帯保証人に請求をするしかありません。
そして結局、この連帯保証人へ督促状および催告状が送られました。ここで、弁護士、もしくは司法書士を立ててお話し合いをしておけば良かったのですが、この連帯保証人の方はこの通知を無視し続けてしまいました。
そこで、債権者は当然のことながら、連帯保証人の給料差押えという強制執行に出てきました。連帯保証人は慌てて、当センターにご連絡されて来たのですが、事態は仮差押えという深刻な所まで進んでしまっておりました。そこで当センターで、この方々と弁護士とで打ち合わせをして、今後の方針を決めたはずでした。
しかし、結局この方々はそれ以降もご自分たちで勝手に行動をしてしまいました。結果的に、連帯保証人に支払いをさせたくなければ債務者が返済を継続しなさいという契約になってしまい、一時金30万円、月々3万円の返済となって、自己破産をしながら返済を継続させられる事になってしまいました。当然、支払約定書を公正証書で取られての契約となってしまいました。

■任意売却後に債権者・サービサーから返済を求められたら

弁護士にご相談される事を強くお勧めいたします！他業者から任意売却後、残債務の支払いは逃げ切れば良いとアドバイスを受けてそれを実行されてしまった方。その結果毎日のように支払の催促の電話を受けているようならば、弁護士の方にご相談されることをお勧め致します。

他社が手がけて終了した任意売却・競売の残債務の返済に関しては、当センターではお力になれる事がございません。また、債権回収会社が変更した場合のアドバイスなども出来かねます。

任意売却.Bizにはほぼ毎日、債権回収会社が変わって返済を求められているので交渉をお願いしますというようなご相談が寄せられます。申し訳ございませんが、最初から当センターにご依頼頂いた案件以外は、ご相談はお受けいたしかねます。

任意売却の依頼は裏技を押しつけない業者へ

ごく少数では有りますが、取られるものが無くなるので逃げ切りましょうと勧めているアドバイザー、業者もいらっしゃいますが、数年後に発覚してしまい "給料差押え" されるようなことに陥ってしまった場合に業者の責任にする事は出来ません。当センターでは "逃げ回る方法" はお勧めはいたしておりません。
任意売却は終了後の事も考えて業者の選定をされることをお勧め致します。