愛知県に住むS様からのご相談の内容です。
名古屋と東京に在る大手のマンション4戸を購入したとのことでした。2戸はワンルームマンション、2戸は2Kのマンションです。これら4戸のマンションの購入価格は総額で1億円を超えていました。
S様は、やり手の保険会社の社員で、当時の年収で1,000万円を稼いでおいででした。そして不況に入り保険会社も吸収合併が行われ、S様の身にも不況の波が襲いかかって来ました。
20年前、これらマンションを購入したS様は35才でした。そのS様も今では55才。年収は約300万円も減ってしまい、加え、住宅ローン支払いの年間持ち出しが300万円になる始末。そして、大学生の息子さん達の授業料の支払いも厳しくなり、カードローンで生活費を捻出することもしばしばだったそうです。
それでも、ローンは払い続け、8月のボーナス返済も大変な思いで支払ったのですが、流石にもうダメとあきらめられたそうです。
4戸もマンションを持ちながら自宅は借家です。S様は『もう観念しました。なんとか売却をして残債務も少しずつ払います。』と、疲れ切ったご様子でした。2Kのマンションは名古屋市です。賃料は75,000円と82,000円。管理費は20,000円弱です。固都税および管理会社への手数料を引くと、これら2戸のマンションからの実際の収入は年間120万円程です。しかし、年間の返済額は倍以上の約280万円になります。
ワンルームマンションは東京の足立区です。賃料は60,000円と700,00円です。同じように管理費等を差し引くと年間の収入は約100万円です。そして、これらの返済額は250万円にもなります。
これら4戸のマンションで年間返済額は530万円となります。15年〜18年間にかけ、1億円弱の返済をしていることになりますが、ローンは後10年以上残っています。
S様は、最初の1戸は勢いでご購入されたそうですが、その後は営業マンに勧められるままに2戸目・3戸目とご購入されたそうです。年収が1千万円有り、銀行もほぼ無条件で融資をしてくれたそうです。当時はお子様も小さかったので、持ち出しが有っても返済を続けていったようですが、給料が下がり始め、2人のお子様も中学・高校へと通うようになり、教育費も無視できない額になり出しました。また、賃貸で出している部屋が空き、賃料収入が得られない月など、給料の半分以上が無くなってしまうこともしばしば有ったようです。管理会社に言われるがままに賃料を3,000円下げ、5,000円と下げて行ったようです。
10年ほど前から返済日が来るのが怖かったそうです。『いままで何をしていたかわかりません。私は後5年で定年です。もう、こういう事を続けていたら家庭がおかしくなってしまいます。マンションを売却してください。』と、大量の資料を差し出されました。
当センターからアドバイスを受けた後、S様は『1年前2年前に相談していれば良かったです。』と完全に見切りをつけたのか明るくサバサバとしたご様子でした。
『もう、返済するつもりは有りません。7月に子供の授業料の請求書が届いたのですが、その中に退学届けも同封されていたのです。大学4年生なのですが、ここで辞めさせたら一生恨まれますよね。』と、苦笑いをされていました。
S様は当センターで専任媒介契約を結びました。S様の物件には賃借人が入っているので、エンドユーザーへの売却をするのが困難なため、不動産業者および投資家へ売却する旨を伝えました。残債務は1戸に付、1,000万円〜1,200万円有り、4戸で総額約5,000万円弱です。債権者は2社の銀行です。
販売活動を行い、東京の2つのワンルームマンションは、700万円と860万円で購入者がつきました。銀行の保証会社と交渉を始めましたが、S様は、「賃料はどうなりますか?」と心配そうに聞いてきかれておりました。『抵当権者は、賃料の差押えが出来ますから、されたら仕方がないですね。』とご説明すると、S様は『では、それまでは賃料を貰っていても良いのですか?』、と不安げな顔でご諮問されたので、債権者が何もしてこなければ良いのではとお伝えすると、『何か悪い気もするんですけど・・』と、言っておられました。結局、債権者は差押えをすることも無く、S様は数ヶ月間、月30万円程の賃料を受け取り、息子さんの後期の授業料分を支払うことがが出来ました。
名古屋市の2物件はなかなか購入者が付かずにいましたが、つい先日に名古屋の提携業者の並々ならぬ営業努力の甲斐あって契約となりました。
S様は、2つの保証会社に約5,000万円の残債務がございましたが、当センターを返して保証会社に対し度重なる交渉をして月々3万円の支払い、そして1年後に再交渉をする事で話が着きました。S様は、『18年間も無駄な支払いをしてしまいました。だけどこのたびの交渉のおかげで年間300万円の支払いが、約70万円になったのですから本当に助かりました。』とよろこばれておりました。S様と奥様のお顔には満面の笑みがありました。
宮城県仙台市に住むC様からの御相談内容です。
大阪にお住いになられるお兄様のマンションが競売にかかってしまったとの事でした。C様はそのマンションの連帯保証人です。そして、C様は仙台市に自宅マンションを持っています。
お兄様のマンションは住宅ローンの残債が約2,500万円残っております。このマンションの直近の売買成約事例を見ると1,500万円〜1,800万円です。売却をした際には約1,000万円の債務が残るのは間違いありません。そうなると、当然、C様にも請求が来ることも分かっています。
大阪と仙台の為に電話でのやり取りしか出来ず、C様は奥様に競売にかかったことなど言える訳が有りません。兄夫婦は競売になってしまったことで諦めており、このまま放置しておく覚悟です。
C様は1円でも高く売ってもらいたいと考えておいででしたが、お兄様は "もう良いよ" と完全に諦めていたようです。当センターのスタッフがお兄様に電話を入れ、C様の置かれた状況を説明し、任意売却というものを説明しました。お兄様もC様の置かれた状況を理解してくださり、任意売却の交渉を債権者側とするのに絶対必要な専任媒介契約書を締結してくれる約束をして下さいました。
ここからは時間との勝負です。競売開始決定から既に1ヵ月半が経過しております。大阪市の提携業者に販売を依頼し、債権者に連絡をして締結した専任媒介契約書を送り任意売却をする旨を伝えました。 債権者からは「入札期日前には決済してくださいよ!」と強く念をおされました。当センターは一応了承した旨を伝えましたが、残された時間内に購入者が見つかるかどうかは不明です。
2ヵ月半後、入札期日の通知書が届きました。C様は大あわてで電話をして来られました。基準価格は920万円。入札可能額は730万円です。C様は、あまりの安さに「これでは、1,500万円も残ってしまいますよね」と、肩を落としておいででした。
それから2週間後、大阪市の提携業者から、1,580万円での購入者が見つかり、C様にお伝えすると大喜びでした。債権者も、この売買価格に承諾し、一ヶ月後に決済が行われ、引っ越し代、仲介手数料等々を差し引いた1,480万円が債権者に支払われました。そして残債務は約1,000万円となりました。
C様と、お兄様には生活状況表を提出して頂き、月々1万円の支払いで話が着きました。C様のマンションは未だ3,000万円以上もの抵当権が付いており、そして実勢価格が2,000万円〜2,200万円です。 従ってお兄様の方の債権者はC様のマンションには強制執行は出来ないと判断しました。C様は、毎月1万円を返済することを奥様に説明しました。私たちも無事、物件の処分が完了したことに安堵しました。
当センターのスタッフに電話してきたT様。『1年半ほど前に電話で相談をさせてもらった静岡のTです。アパーと1棟の件で相談させてもらったのですが・・。』
T様は、『あの時は、2ヵ月延滞で色々と相談させてもたったのですが、何とか頑張ってみようと思いまして、専任媒介は結ばなかったんですが、1年半やってみてやはりダメでした。今、5ヵ月延滞で銀行から競売かけるって毎日のように言われているんですよ。任意売却をお願いできますか。』と話されました。
T様の物件は、2階建てのアパートです。1階に4部屋、2階も4部屋。1階の3部屋をT様の家族が使用。1階の残り1部屋と2階の4部屋を賃貸。返済額は月50万円。5部屋からの家賃収入は月25万円〜30万円です。1年半前にT様の御相談を受けたスタッフが『3部屋をご家族で使用しているのですから、賃料として15万円をキチンと出せば、年間100万円も不足しないのでは・・』と、言っていたのを思い出しました。T様には、32歳と29歳の息子さんがいらっしゃいます。お二人ともフリーターで、1円も家へお金を入れてくれないとおっしゃっていました。
T様は、『あれから1年半で、サラ金およびカードローンで約400万円程借金が出来てしまいました。それで自己破産しようかと思っています。弁護士さんを紹介してくれますか?』と現在置かれた状況を説明され始めました。1年半前の相談内容とは随分状況が変わり、更に深刻になっていました。
T様と専任媒介契約を結び、即、債権者へ当センターより連絡を入れ、任意売却に同意をして頂きました。 そして物件を販売にかけました。3ヵ月後、3,800万円で購入者が決まりました。T様へは当社の顧問弁護士から静岡の弁護士を紹介してもらい、自己破産をしました。自己破産をして、T様は3,000万円近い借金も免責になり1からの出直しです。2人の息子さんもこれを機会に就職活動をされ、長男は運送会社、次男は建築会社に就職が決まりました。
T様の破産免責が決まって数日後、お礼の電話が入り、スタッフ一同ホッとしました。
東京都練馬区に住むY様。
Y様は去年3人の子供を引き取り離婚されました。調停の末に離婚したY様は、離婚条件として、現在お住まいのマンションに子供とともに居住する件、マンションの住宅ローンは夫が支払う件の条件を求め、夫も了承しました。
しかし、Y様が当社に相談に来た時点で、案の定、元夫の携帯電話はつながらず、元夫の実家に電話をしても知らぬ存ぜずの答えが返ってくるばかりでした。住宅ローンはすでに6ヵ月も滞納しており銀行の担当者も頻繁に訪問してきているとのことです。
Y様は、連帯保証人です。この元夫の所在が確認されないことには任意売却も出来ません。この場合、元夫が出てくるか、競売になるのを待つしかありません。Y様は、元夫の友人関係に連絡を取り探しました。 代位弁済は未だされておりませんので時間は有ります。
ある日、Y様のお父様から電話が入りました。『私が購入しても良いのですが。あのマンションはいくら位ですかね?2,000万円までなら用意しますけど。』と、お父様からの思いもよらないご提案です。しかし、所有者の元夫の承諾が無ければどうしようもありません。
そこで、M銀行の保証会社であるM信用保証に連絡をし、Y様のお父様とは言わず、購入希望者が居るので購入申込書と配分表をファクスしました。3日後には、売却価格は1,850万円で良いとの回答が得られました。
Y様のお父様に連絡をすると、お金は用意してあるとの事。これで、元夫が出てきてくれれば解決です。Y様に債務が出ますが、賃料を支払うつもりで返済すればよいわけで、このまま子供達と共に今のまま暮らして行くことができます。
それから半月ほどして、競売開始決定の特別送達が送られて来ました。Y様にもY様のお父様にも、当社のスタッフから事前に、事の流れ・届く書類などの説明がなされていたので、Y様たちは全く慌てませんでした。この競売開始決定通知が届いてから約1ヵ月後に、Y様の努力で元夫の居場所を見つけることが出来ました。
当センターのスタッフがこの元夫を司法書士の元にお連れして本人確認を済ませ、委任状に署名捺印して頂きました。元夫が決済時に現れなかった場合を想定して用意するモノは用意し、用意周到に事を進めました。
案の定、元夫は約束をしてくれたにもかかわらず、決済の日にはとうとう姿を現しませんでした。ですが、無事に決済は終わり、Y様は子供達とこの物件に住むことが出来、お父様も安堵なさっておりました。
池袋から私鉄で30分程の閑静な住宅街にお住まいである52歳のお客様のケースです。平成8年に、土地40坪と建物32坪の一戸建 てを4,500万円で購入。準大手の工場勤務で、当時の年収は680万円、頭金800万年で年間返済額は当初の5年間が160万円、6年目以降が250万円。お子様はお嬢さんが2人ですが、すでに結婚し独立しています。
50歳を過ぎると不況のあおりで年収は720万円から620万円になり、52歳になると550万円になってしまいました。
年間の返済額は、手取り収入額の60%以上です。気真面目なお客様は生活を切り詰め返済を続けました。 ところが1月のボーナス返済45万円が払えず延滞、銀行の担当者が自宅に訪問し、生命保険を解約し、返済に充当し何とかやりくりをされました。
6月に入り、7月のボーナス返済が出来ないと判断し、自宅を売却したいとの事で当センターに相談があり、アドバイスを差し上げたのですが、こちらの話に耳を傾けてもらえず、家賃10万円のアパートに引っ越してしまいました。お客様の計画では60歳まで返済を続け、退職金でローンの残金を返済し、老後は年金でのんびりと暮らすご予定でした。この不況により、退職金も半分以下になる事もわかり、諦めてしまった様です。
結局、このお客様は約一年後にご自宅が競売になりました。
この様なお客様も最近は多いと言えます。仮に500万円の頭金を貯め、物件を購入したお客様も「自分は悪くない!まじめに働いてきたのに昇給はしない、ボーナスは半分となる。」など、大半はこのお客様と同じ様に考えているかもしれません。しかし返済は待ってはくれません。これが、自動車のローンの様に、60回払いとかであれば、何とかなるかもしれません。住宅ローンは数十年後の契約期間満了まで、300回400回と、延々に続くのです。やりくりするにはどうにもならない回数です。
どうぞお一人で悩まず、当センターにお電話を下さい。良いアドバイスが出来ると思います。