A.せめて、あと1ヶ月早くご相談下さっていれば、まだ打つ手は有ったのですが、現実問題としては不可能なのです。出来ない理由は、たった1ヶ月間の間に物件の購入者を探し、抵当権者たちと協議をし、合意を取り付け、返済をして競売の取り下げを行うという事が、「時間的に不可能」だからなのです。更に、債権者に対し競売の取り下げをお願いするにも、少なくとも200万円〜300万円の現金を用意し、追加保証人などをも用意しなければなりません。
A.住んでいる住居は、裁判所の執行官が、かぎ交換業者、運送屋を同行させて、競売された家屋の中の荷物をまとめて持ち出してしまいます。荷物を返してもらう場合は、普通の引越し業者の、費用の倍以上も出さないと荷物を返して頂けません。また、動産にも競売がかけられていた場合は、当然荷物は返してもらえず売却されてしまいます。住んでいる方が異議申し立てをしても、どうにもならないことなのです。
営業している店舗であっても同様です。営業している店舗だからという理由で、裁判所の執行官は待ってはくれません。荷物は全て出され、鍵については入室出来ないよう交換されてしまいます。競売された家屋に鍵を壊して侵入した場合は、不法侵入で逮捕されてしまいます。
A.もちろん無くなりません。他に不動産を持っている場合は、その不動産も競売の対象となります。後に不動産を収得した場合も同様です。完済するまでその債務の返済義務からは逃れられません。連帯保証人がいらっしゃれば、その方にも残債務の請求が行きます。
A.こちらは弁護士の領域の話となります。当センターでは、上記の依頼はお引き受け出来かねますが、必要であれば当センターで斡旋した弁護士をご紹介させていただく事は可能です。弁護士にご相談なさってみてください。
A.基本的には費用は一切出ないとお考え下さい。
ですが、落札者が入居されている方に速やかに退去して欲しいとの意向で、退去料として好意で数十万円程出してくれる可能性はあります。退去料が出たとして、その金額に不満を言う事は一切出来ません。そのお金は、あくまでも落札者の「善意」だからです。そこで金額が少ないと意義を唱えられた場合、落札者が裁判所へ連絡をして、そして裁判所が入居されている方を強制退去させる事になります。
任意売却であれば「引っ越し費用」位は交渉により、捻出出来る場合がございます。
A.任意売却の場合は、債権者に対しても誠意があるものとみなされて、その債務の返済方法などの相談にのっていただける事がございます。例えば、5,000万円の残債が有り、物件を2,500万円で売却したとして、残りの、2,500万円の債務に対して、月々の返済額を少額にしていただく等の返済スケジュールの相談にのっていいただけます(もちろん話し合いよりますが)。こちらも話し合いになりますが、引越し費用を捻出していただいた事例もございます。そして、競売後に残った債務の支払い、任意売却後に残った債務の支払いにおいても「競売」と「任売」とでは大きな違いが出てきます。任意売却の方が断然有利です。
A.競売を申し立てた申立人に、競売を取り下げてくれる条件を伺い、出された条件を満たすことです。提示された条件が無理であれば、任意売却にしたい旨を申し出てみる事をお勧め致します。しかし、競売も任意売却も家を失うことになります。競売も任意売却も完全に避けて、家も残したいのであれば、どんな無理をしてでも競売の申立人の条件を遂行すること以外に手立てはございません。
先日、実家が競売により落札されてしまいました。母は人の目がいやで既に他のところに住んでおり、荷物はほとんど運び出しております。その場合は私には立退き料の請求をする権利はあるのでしょうか。例えば、もう一度家財道具などを少しでも入れて住んでいる事をアピールする手段も考えているのですが・・・何か良い方法があれば教えてください。
A.お客様にはそのような権利はございません。お客様のご実家(元ご実家だった物件)は、既に落札者へ所有権が移行しております。別の言い方をすれば、その不動産はもうお客様ご一家の持ち物では無くなっております。
従って、もう一度その家へ家財道具を運び込んだ場合、お客様の行為は他人の家への不法侵入および不法占拠を起こしたとみなされ違法となります。恐らく、鍵が交換されていると予想されますので、その鍵を壊すと器物破損という罪も加算されます。その様な状況ですので、お客様には立ち退き料を請求する権利は一切ございません。
また、仮に落札時点で、その物件にご家族がお住まいになられていた場合でも、引っ越し費用・立ち退き料を請求する権利は全くございません。逆にお客様は、裁判所の明け渡し命令という強制執行を行使される立場に在ります。中には、強制執行などは手間がかかって面倒だと感じる落札者もいらっしゃいますので、十数万円の立ち退き料で済むのであれば払ってしまおうという方々もおります。ですが、こちらはあくまでもその方々の善意以外の何物でも有りません。落札者が不動産業者だった場合には絶対と言って良いほど立ち退き料は出ないでしょう。